ヒロメの生態

ヒロメの生態

ヒロメの分類

海藻類は世界におよそ25,000種、日本にはおよそ1500種もいると言われています。これらの海藻類は大きく緑藻類褐藻類紅藻類に分けることができます。身近な海藻を挙げれば、アオサアオノリクビレヅタ(海ぶどう)などは緑藻類コンブ、ワカメ、モズクなどは褐藻類スサビノリ(海苔)、マクサ(天草:トコロテンの原材料)、トサカノリなどは紅藻類です。
ヒロメの分類学的位置づけはコンブ目チガイソ科ワカメ属となっていますが、これは大きなくくりではコンブの仲間で、ワカメとは近縁種です。

分類学上の位置

褐藻綱   PHAEOPHYCEAE
コンブ目  LAMINARIALES
チガイソ科 Alariaceae
ワカメ属  Undaria

ヒロメの体のつくり

ヒロメの生活史

海藻類には、雌雄の区別が無い胞子体と、雌雄の区別ある配偶体と呼ばれる2 つの世代が存在し、胞子体から配偶体が生まれ、配偶体から胞子体が生まれるという世代交代を行っています。(種類によっては非常に複雑です)
ヒロメを含むコンブの仲間では、私たちが普段目にしているのは胞子体と呼ばれる世代です。以下はヒロメについて説明します。
胞子体は春に遊走子(胞子のようなもの)を放出します。遊走子は一定時間泳ぎ回り、岩場などに着生すると配偶体を生じます。
この配偶体には雌雄があり、それぞれ独立して育ち、夏を過ごします。
冬が近づき水温が下がってくると、メスの配偶体は卵を、オスの配偶体は精子を造り、これらが受精すると胞子体が生じます。
ヒロメやワカメはこのように1年で一周回る生活史をもっています。
ヒロメについて